名も無き花は咲いてくれよう

断っておくが、僕はCoccoの特別なファンではない。iPodに彼女の昔のベストアルバムが入っていてたまに聞くくらいと、米軍基地関連の問題に関心があって、「ジュゴンの見える丘」を何度か聞いた程度だ。

そんな彼女が震災後初めてテレビで唄った。見た人にはわかると思うけど、まさに命を削るような唄い方だった。

感性は人それぞれだ。好きになれないものを無理に好意的に受け止める必要はない。

しかし、twitterを見ていると、想像以上にCoccoの唄は日本中の人の心の奥底に届いたように見えるよ。

僕も実はしばらくCoccoは聞いていなかったのだけれど、あの番組が終わってから一人で「ジュゴンの見える丘」を何回か聴いていました。

なぜか、被災地の人の悲しみが溢れてくるような気がして涙を流していました。被災地の人にはどう響いただろう。聴いて辛くなっちゃった人もたくさんいると思う。でも、今はそれでいいと思う。泣けば少しは身体が軽くなるはずだ。

Coccoは「私には唄うことしかできない。全然たりない」って思ってるかもしれないけど、僕には「唄うことすら」できない。だから泣かなくて良いと思うよ。あなたは立派だった。

そして、僕にできることCoccoの唄を通して聴いた被災者の悲しみを忘れずに、それを明日への力へと変えて行く事だろう。彼女が与えてくれた小さな勇気を無駄にしないためにも。